top of page

伝統工芸の課題に対するユニークな取り組み|モバオク日本工芸プロジェクト

11月の「伝統的工芸品月間(※)」に合わせて、モバオクでは日本の工芸の魅力について発信中です。

第1回目の読み物では、現在日本の伝統工芸産業が抱えている課題に着目しました。第2回目の読みもののテーマは「伝統工芸の課題に対する取り組み」です。


前回は、以下の3つの課題を取り上げさせていただきました。

課題①|生活スタイルの変化による需要の低下

課題②|職人の後継者不足

課題③|原材料や用具の確保

今回は、課題①の「需要の低下」と課題②の「後継者不足」の2点の課題に対するユニークな取り組みをご紹介します。


伝統的工芸品に対する国民の理解とその一層の普及を目指して、昭和59年から毎年11月を「伝統的工芸品月間」と定め、全国各地において普及および啓発に資する事業を実施しています。(引用:経済産業省HPより)


①工芸品の需要低下に対する取り組み

南部鉄器
(画像提供:日本工芸株式会社)

まずは、工芸品の需要低下に対して行われている取り組みをご紹介します。需要の低下の原因として、若い世代には馴染みがないことや現代のインテリアに合わないイメージを持たれていることがあります。そこで現代のニーズに合わせた取り組みをご紹介します。



キャラクター・スポーツ・店舗とのコラボ

筆者が最も「アツい」と感じる取り組みは、「コラボ」商品の展開です。ゲームやアニメのキャラクターをはじめ、スポーツチーム、ブランドなどとコラボした伝統工芸品のアイテムが次々と登場しています。

モバオクを愛用してくださる方の中にも、ゲームやアニメがお好きな方が多くいらっしゃるかと思います。


また、国内だけでなく、海外のデザイナーとコラボをしている伝統工芸品もあり、国内のみならず海外を巻き込んだ取り組みもされています。前回の記事でも少し語らせていただいたように、日本の伝統工芸品は海外からも注目されているのです。


伝統工芸はライフスタイルの変化などから需要が低下していると言われていますが、今後もこうした日本の伝統工芸の良さを生かした海外や様々なコンテンツとのコラボレーションが活性化されていけば、世代問わず愛し続けられるものになるのではないかと筆者は思っています。また、伝統工芸品のデザインは現代のニーズに合わせて進化していて、南部鉄器や甲冑などは、すでに現代のインテリアに合うようなデザインのものが販売されています。



②後継者不足に対する取り組み


山中漆器
(画像提供:日本工芸株式会社)

続いて、後継者不足の課題に対する取り組みの一部をご紹介します。



産地の出会いの場を作る後継者インターンシップ|ニッポン手仕事図鑑

「ニッポンの手仕事を残していきたい」との想いから、日本の手仕事を動画にして発信されているニッポン手仕事図鑑。動画制作だけでなく、「後継者インターンシップ」というユニークな活動もされています。後継者インターンシップとは、全国の後継者不足が課題となっている産地と、職人を目指して求人情報を探している学生をつなぎ、伝統工芸産業の人材不足問題を解消するための取り組みです。


後継者インターンシップだけでなく、商品開発や情報発信に関するインターンシップの情報も配信されているので、職人とは別の道で伝統工芸に携わっていきたいという方にもおすすめです。LINEで簡単に情報が見られる手軽さも、素敵です。詳しくは、こちらのページからご覧ください。


筆者はなんとなく「志望者は職人になった後の生活や雰囲気を掴めないまま、長い下積み時代を送る」といったイメージを抱いていました。しかし、この後継者インターンシップでは、短い期間で工房見学や作業体験をすることができます。「興味はあるけれど、どんな世界かわからないから一歩が踏み出せない」という学生の方も、インターンシップがあれば気軽に行動に移せるのではないかと思います。加えて、事前にインターンシップで一定の期間を過ごすことで、メーカーや工房側も人柄や相性などが把握できてWin-Winだと感じました。


どこか遠い世界と感じられがちな「伝統工芸の世界」が身近になり、インターンシップで実際に職人として働くことのやりがいや魅力を体験し、後継者を志望する学生が増える・・・そんな希望が詰まっていますね。



買うことが支援に?「1% for 日本の工芸育成」プロジェクト|日本工芸堂

「1% for 日本の工芸育成」 プロジェクト
(画像提供:日本工芸株式会社)

私たちも工芸の未来に貢献できる取り組みが、日本工芸堂が行う「1% for 日本の工芸育成」プロジェクト。工芸の魅力を世界のあらゆる人に届けたいとの想いから全国各地の職人さんの元を訪ねる中で、「続けられなくなる日がくるかもしれない」との声を多く聞いたそうです。一方で、「応援したい」「日本の伝統工芸が好きだから、産地や職人さんに貢献したい」との声も届く…。

そこで、売上の「1%」を日本の伝統工芸の育成や産地活性化のために使う「1% for 日本の工芸育成」プロジェクトがはじまったようです。


日本工芸堂はこのプロジェクトを通して、「会津塗職人の育成」への支援に取り組んでいます。長い歴史を持つ会津漆器ですが、職人の高齢化問題に直面しているのです。「お客様の気持ちと産地の課題をつなぐ」という想いで、このプロジェクトや発信活動をされています。


筆者は、素敵だと思った伝統工芸品を購入することが伝統工芸産業への貢献にもなるというところが、とても温かい気持ちになるプロジェクトだなと感じます。伝統工芸のファンであったとしても、自ら寄付をしたり課題解消のための貢献活動をしたりすることは難しいものです。こうした私たちの想いを形にしてくれるプロジェクトは、伝統工芸品を購入することを、より豊かな体験にしてくれると思います。


実は、この「1% for 日本の工芸育成」プロジェクトを行う日本工芸堂主催のチャリティーオークションが、モバオクにて12月8日(金)から開催中です。オークションの売上の一部は、「1% for 日本の工芸育成」プロジェクトに充てられます。

出品アイテムもとってもユニークなので、ぜひご参加ください!




開催中|モバオク日本工芸プロジェクト

『工芸職人が、かっこいいアートを作ってみた。』日本工芸堂 meets モバオクチャリティーオークション

『工芸職人が、かっこいいアートを作ってみた。』日本工芸堂 meets モバオクチャリティーオークション

モバオクでは、12月8日(金)より「『工芸職人が、かっこいいアートを作ってみた。』日本工芸堂 meets モバオクチャリティーオークション」を開催中! 甲冑を製作する「鈴甲子雄山」の職人さんがつくった、歴史がテーマの斬新なアート作品を出品いたします。素材は、甲冑の製作過程で生じた廃材やブリキなどです。

職人さんの巧みな技術ならではの細かな作りが魅力的です。「鈴甲子雄山」は五月人形づくりのプロですので、少し個性的な五月人形として飾るのも素敵ですね。

普段販売がされていない完全オリジナルの一点物作品なので、この機会にぜひチェックしてください。




最後までお読みいただき、ありがとうございました。

あと1回、記事を通して日本の伝統工芸について発信していきます。

次回も楽しみにしていただけたら嬉しいです!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【参考記事】

経済産業省ホームページ


Comments


bottom of page