宝満 紘子
273×273mm
パネルにアクリル絵の具
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小学生の時、1羽の白文鳥を飼っていました。その文鳥をモデルに、4羽の鳥がかごの中にいる様子を水彩画に描いたことがあるのですが、大人になった今、また同じような構図で描いてみようかなと思ったのが、今回の作品を描くに至ったきっかけです。
小鳥の後ろには、宇宙空間を感じさせるような広大な夜空が広がっています。4羽の小鳥はかごの中に留まっていますが、金網の一部が開放されているので、自分の意志でここを出ていくこともできます。でも彼らは出ていくことはせず、かごの中に留まってつつき合ったり、疎外感を感じてそっぽを向いたり、仲睦まじい二人をうらやんだり、思い思いマイペースに過ごしています。小鳥たちはかごに入れられているように見えて、自らの意志でここに居ることを選択しているのです。そして小さな幸せやほろ苦い思い、時には閉塞感などを感じながらも穏やかに日常を送っているという作品です。
今はここに居る4羽の小鳥たちも、いつかここを出て羽ばたいていく事があるかもしれません。人間社会でいうと、鳥かごは家庭や職場、地域コミュニティ等に相当するのかもしれません。ご自身のおかれている環境に思いをはせながら鑑賞してもらうと、また違った楽しみ方ができるかもしれません。
小鳥の種類は白文鳥の他に、シルバー文鳥、キンカチョウを選択しました。鳥の種類に何か深い意味があるわけではなく、単に色や形のバランスから選択しました。白と茶色の組み合わせが砂糖とコーヒーの組み合わせに感じられたこともあり、Bitter sweet home という題名にしました。
<作者からのメッセージ>
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