
368nmile
縦81cm×横60cm
キャンバス,アクリル絵の具,コピック,クレヨン,ジャケット,洋書
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「今まで我慢していたこと,全部やめてみる!」
独立をきっかけに,苦手だったスカートを脱ぎ捨て,Tシャツとパンツスタイ
ルで過ごすようになりました。
前からしてみたかった派手なパープルとアプリコットのインナーカラーを入れ
てみたりもして。
とはいえ,ビビっていた私への第一声は,「いいね。ありだよ!」でした。
「創作活動を中心に考えてくれて構わないから,うちと仕事しないか」
そんな経験をいくつか経た今,感じていることがあります。
「私たちはどんな状況であっても,自分がどうあろうとも,好きなように選択
して生きていける!」
仕事の時間もどこで生きていくかも,生き方は自分で決める。
「いろんな働き方や生き方があっても,いいじゃないか」
コロナでガラリと変わった日常の中,こんなことを思い浮かべながら作ったの
が,この「テレワーク」という作品です。
ブロンズで一本に引いたボーダーは,「これまで」と「これから」の境界線。
虹色で描かれた蝶の羽のような模様は,直感にまかせて,その場の即興で描い
たものですが,無意識のうちに「いろんな働き方や意見があってもいい」とい
う多様性と,これまでの時代を抜け,これからの時代へ羽ばたいていくという
気持ちが絵にのったのだと思います。
そして,実は・・・。絵のプロセスをみていただいたら分かるとおり,この絵は
当初全くの別物で,失敗作と思っていたものです。
捨てられずにいたキャンバスを再生させ,描き直し重ねて描いていく。比喩的
に言えば,「新しい生き方の模索」を表しています。
絵に貼り付けたジャケットには,「これまでの当たり前を脱ぎ捨てる」という
メッセージを込めました。
あえて綺麗に畳まずずらして置いたのは,「脱ぎ捨てる」を強調するため。
このジャケット,実は捨てられる寸前で救出し,再生させました。
3 ヶ月が経った今も,コロナ騒動前に過ごしていた私たちの日常は戻ってこな
い。もう戻らないとまで言われている。
だけど,それでいいと思っている。
自分の思い込みや見えないルールに縛られるだけの時代が終わり,これから人
それぞれが持つ多様性が活きる新しい時代が始まる。
私たちは,また新しい自分を作っていく。
「いろんな働き方や生き方があっても,いいじゃないか」
そんな想いに共感していただける,あなたの元にこの絵が届けばと,心から願
っています。
<作者からのメッセージ>