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工芸業界のダ・ヴィンチが変わりのアートで届ける、代わりのない体験



「『工芸職人が、かっこいいアートを作ってみた。』日本工芸堂 meets モバオクチャリティーオークション」にて出品中のアート作品「下総国葛飾住藤原風 ましん 壱式 -いっしき-」「下総国葛飾住藤原風 ましん 弐式 -にしき-」について特集します。

工芸職人が斬新なアート作品を作ったその背景や秘密について触れていきます。

製作した職人さんや甲冑製作集団「鈴甲子雄山」についてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。



ましんは何者?

自由な発想と偶然でできた唯一無二の作品


「下総国葛飾住藤原風 ましん 壱式 -いっしき-」「下総国葛飾住藤原風 ましん 弐式 -にしき-」

「『工芸職人が、かっこいいアートを作ってみた。』日本工芸堂 meets モバオクチャリティーオークション」にて出品している上の写真の「下総国葛飾住藤原風ましん 壱式 ・弐式」。一体何者なのか、と思いますよね。


こちらは、普段は五月人形や甲冑・鎧兜などを製作している老舗メーカー「鈴甲子」の職人が癒しのためにとつくった「戦国時代の新兵器」がテーマのアート作品です。普段は、お仕事以外で作る作品は誰かの目に触れることなく終わってしまう…。お仕事外の時間でユニークな発想で自由に作った作品がみなさまの目にかかるのは、「ましん」が初めての作品です。

実はこの作品には甲冑を作る過程で余った素材が使われているのです。余り物を活用したとは思えないほど、緻密なデザインをしていますよね。すごい…!


筆者はいろいろと気になって、この作品を製作された職人「藤原風(ふじわらのぷう)」さんにお話をおうかがいしました。

穏やかな雰囲気と優しい笑顔が素敵な藤原さん。日々「あの部品とあの部品を組み合わせたら、こんな作品ができそうだな」「あの技術を使えそうだ」などと考えているそうです。工房には、甲冑の製作でぴったりと使いきれない様々な素材や部品があるそうで、工房を回りながらどこにどんな部品があるか記憶しているんだとか。


驚いたのは、最初に作品のデザインを考えてから使う素材を探すのではなく、工房に散りばめられている素材・部品を元に、アイデアが浮かんで作っていらっしゃるということ。

その場にあった部品と藤原さんの確かな独創的アイデア力がかけ合わさってできた、偶然の、いや巡り合わせのアートなのですね。


ここまでユニークかつリアルな作品を生み出せる秘訣は、藤原風さんのこれまでの人生経験にありました。



生みの親「職人・藤原風(ふじわらのぷう)」は

単なるスペシャリストではなかった


飛行機

「職人」と聞くと、若き頃からずっと一つの分野を真摯に追求し続けている方、というイメージを持たれる方も多いかと思います。ですが、「ましん」をつくった藤原風さんは、甲冑に携わるようになったのはそんなに昔のことではないとのこと。


ご実家が営まれていた人形屋さんで働かれていた経験があり、その中で好奇心旺盛でクリエイティブな藤原さんは「手を動かして作る」仕事に興味をもち、次第にものづくりに携わるようになっていったのだとか。ちなみに、甲冑職人になる前は、漆器の職人をしていたようです。


しかし、それだけではありません。海外へいきパイロットの免許を取って飛行機を操縦したり、大型の車の免許を持っていたり、射撃を極めたり…。お話をお聞きしていると、次々と驚きの経験エピソードが出てきます。一体、どれだけ濃い人生を送られてきたのか。


甲冑のスペシャリストであることは間違いない、でもそれだけじゃない。長年難しいことにもチャレンジし続け、幅広い分野において何でも器用にこなす藤原さんは、まるでレオナルド・ダ・ヴィンチのようだなと思いました。



「ましん」は藤原風の多様な人生体験が詰まった作品

製作の様子

「ましん」(「下総国葛飾住藤原風 ましん 壱式 -いっしき-」「下総国葛飾住藤原風 ましん 弐式 -にしき-」)は、こうした藤原さんの豊かな経験の中で培われた発想力・技術・人柄が詰まった作品です。


構想をする、細かなパーツをつくる、部品を組み立てる、溶接する、塗装をする。こうした鎧や兜を製作する中で磨いてきた技術はもちろんのこと、「ましん」の細かなところまでじっくり見ていると、乗り物や射撃などに精通した藤原さんならではの技術が反映されているように思えて仕方ありません。



下総国葛飾住藤原風 ましん 壱式 -いっしき-



直立二足歩行型の新兵器「ましん 壱式」には、「藤原風がかつて海外を渡航した際に西欧にて発見した鉄の馬から着想を経て製作されたもの」という物語が秘められています(詳しい物語はこちらから)。


大きさは、底面が直径約20cmの土台、高さは約50cmです。お部屋に気軽に飾れる大きさですね。


|操縦部・新兵器の設計の緻密さは、車・乗り物の知識から

「下総国葛飾住藤原風 ましん 壱式 -いっしき-」

新兵器のデザインに着目すると、侍が握っている操縦部分や、地面と隣接している部分など、非常にリアルな作りをしています。先に述べたように藤原さんは、車の大型免許やパイロットの免許を持っています。


飛行機や車を操縦・運転するときに目に焼き付けてきたものが、ましんの設計に反映されているのではないかと思います。


|リアルな銃は、射撃の経験から

「下総国葛飾住藤原風 ましん 壱式 -いっしき-」

左側面に備えられた銃。こちらも、射撃の経験がある藤原さんだからこそのリアルさ。

見れば見るほど、線の繋がり、装置とパイプのような部分の間にある微妙な隙間など、本当に細かいです。


|服・外装には甲冑の部品やブリキが使われている


作業の様子

侍がまとっている服は、「草摺」と呼ばれる腰から下腹部あたりを守る部分の甲冑のパーツなどが使われています。また、緑色の外装は、主にブリキが使用されています。小さな部品と部品を溶接し、塗装しているのです。


|動力源!Wi-Fiマークが散りばめられている


「下総国葛飾住藤原風 ましん 壱式 -いっしき-」

「『ましん 壱式』の動力源は我偉輩(「わいふあい」とよぶらしい)」のため、ところどころにWi-Fiのマークが隠されています。そんなユニークなところにもご注目ください。

遊び心たっぷりですね…!




下総国葛飾住藤原風 ましん 弐式 -にしき-



四輪駆動型の新兵器「ましん 弐式」には、「直立二足歩行型では不安定だった重心を、下に落とすために試行錯誤してつくられた、自動車の原点かもしれないと言われている兵器」という物語が秘められています(詳しい物語はこちらから)。


サイズは幅約28cm×高さ33cmの土台に、高さ約45cmと、ご自宅に気軽に置けるサイズとなっています。


こちらも甲冑の部品やブリキが主に使われています。脇立(わきだて)と呼ばれる、兜の鉢の側面につけられる部分もいい味を出しています。人形の表情も相まって、鹿の被り物をかぶっているようで愛らしいですね。


|バイク×車×プロペラ機?見たことないけれどリアルなつくり

「下総国葛飾住藤原風 ましん 弐式 -にしき-」

侍が乗っている新兵器を横から見てみるとバイクに見えますが、角度によっては車にも見えます。また、後ろから眺めると、飛行機のような見た目をしています。

バイク・車・飛行機全てに興味があり、運転・操縦の経験がある藤原さんだからこそできるユニークな発想です。面白い…!


特に、横からの写真をじっくり見てみてください。今にも動き出すのではないかと思うほど、細かな部分まで忠実に再現がされています。まさに、職人技ですね。


|Xのマークが散りばめられている
「下総国葛飾住藤原風 ましん 弐式 -にしき-」

壱式の方はWi-Fiマークでしたが、こちらにはXのマークが散りばめられています。





「ましん」はあなたを、愛するあの人を見守ります

ここまで「ましん」の魅力をたくさん語らせていただきました。「ましん」は五月人形を手がける「鈴甲子雄山」作。魂こめて作られたものなので、お部屋に飾ればあなたやあなたの大切な方を見守ってくれるでしょう。


健やかに、逞しく、そして「ユニークに自分らしく」育ちますように|ちょっぴり変わった五月人形として


「下総国葛飾住藤原風 ましん 壱式 -いっしき-」「下総国葛飾住藤原風 ましん 弐式 -にしき-」

今の時代はVUCA(※)の時代。何があるかわからない世の中だからこそ、自分らしさを忘れず柔軟に対応していける真の強さを持った子に育って欲しいものですよね。

「ましん」は、伝統工芸の垣根を超えて、職人のユニークな発想で作られた変わりのアートです。さらに、激動の時代に驚くべき先見の明によって生み出され活躍した新兵器という物語です。


通常の五月人形に込められる「健やかに、たくましく成長しますように」という願いに加え、「どんな世の中でも、柔軟に自分らしく生きていける真の強さをもった人になれますように」という想いもプラスして、ちょっぴり特別な五月人形として、お子様やお孫様にプレゼントされるのはいかがでしょうか。成長して物心がついた時、「ましん」が世界にたった一つしかないのだと知ったらきっと喜んでくれることでしょう。お子様、お孫様とのかけがえのない思い出の一つになったら嬉しく思います。


※Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4単語の頭文字をとった言葉。目まぐるしく世の中が変化し、予測困難な状況を意味する。



お仕事を頑張るあなたを見守る、五月人形ならぬ大人向け「毎日人形」として


ビジネスマン

子ども向けの五月人形があるならば、大人向けの人形があってもいいですよね。

「ましん」は先に述べたように、時代の先頭に立って戦った英雄的な存在。近年は、ビジネス領域の変化も激しく、不安を持たれる方も多いと思います。

そこで、激動の時代に戦い抜いた「ましん」を、五月人形ならぬ「毎日人形」としてお部屋に飾り、日々お仕事を頑張る原動力にしていただけたらと思います。


また、「鈴甲子」は歴史上で活躍した人物たちの鎧兜を、縮小サイズで忠実に再現するプロフェッショナル。その技術は、歴史ファンを含め多くの方に認められています。歴史やメカ・レアものがお好きな方は、この世界にたった一つの貴重な「ましん」をコレクションの一つにいかがでしょうか。




変えゆくものと変わらないもの。

創業100年の甲冑製作集団「鈴甲子雄山」


鈴甲子雄山

「鈴甲子雄山」は創業100年を超える甲冑メーカーです。明治時代に創業し、初代「雄山」鈴木甲子八の陣道具(五月人形の道具)製作にはじまり、太鼓・弓・太刀の制作、そして甲冑製作へと制作領域を広げ、現在の4代目まで技術を受け継いできたとのこと。現在は5名の伝統工芸士が、それぞれ匠な技術で作品を追求し続けています。


鈴甲子さんは、誰もが目にしたことのあるような、歴史上で活躍した甲冑を忠実に再現した作品を得意としていて、歴史ファンにも定評があります。日本全国の博物館、神社に眠る国宝や重要文化財の甲冑の資料収集、 実地調査、時代考証の末に誕生した匠の技が光る兜飾りから、近年では現代のインテリアに馴染むように和室にも洋室にも似合うデザインのものまで手がけています。



創業時代から変わらないのは、その「想い」。雄山さんは「人形は江戸時代から憧れをもって飾られてきたもの。今はその気持ちは薄くなってきているかもしれませんが、それでも、好きな人形や甲冑に憧れる気持ちや、人形を飾る喜びを感じられるものを作りたい」と語っています。


代々受け継いできた国宝級の技術や想いはそのままに、現代のニーズに合わせて大きさや色合い、デザインなどを進化させ続けているのです。こうした文化のある鈴甲子さんだからこそ、職人さんたちがそれぞれクリエイティビティを発揮して作品づくりを楽しみ、今回の「ましん」のような作品も生まれるに至ったのではないかと思います。


きっとこれからも、五月人形や甲冑作品を通してたくさんの方を笑顔にしてくださるのでしょう。


「私」も「あなた」も社会も笑顔であり続けられるような。


『工芸職人が、かっこいいアートを作ってみた。』日本工芸堂 meets モバオクチャリティーオークション

モバオクでは、12月8日(金)12:00から12月17日(日)22:00まで「『工芸職人が、かっこいいアートを作ってみた。』日本工芸堂 meets モバオクチャリティーオークション」を開催中です。本記事で詳しくご紹介してきた「ましん」2体を出品しています。この2体は、11月29日(水)〜12月15日(金)の期間、都内神谷町トラストタワー2F「CoCo JAPAN」にて展示中です。鈴甲子が通常製作する作品や、海がテーマのアート作品数点もご覧いただけます。


展示の様子

オークションの売り上げは、日本工芸堂が行う「1% for 日本の工芸育成」プロジェクトを通して、伝統工芸の育成や産地活性化に活用されます。


本オークションは、あなたも、あなたの大切な人も、職人さんも、工芸産業も笑顔になるプロジェクトでありたいと考えています。


  • 職人さんが遊び心とともにチャレンジした作品「ましん」が届くこと

  • 「ましん」を通して、あなたやあなたの大切な方の喜びになること

  • チャリティーオークションを通じて、工芸産業の課題貢献につながること


「工芸職人が、かっこいいアートを作ってみた。」日本工芸堂 meets モバオクチャリティーオークションをよろしくお願いいたします。





 

【各社サイト】

日本工芸堂:https://japanesecrafts.com/

鈴甲子雄山:https://suzukine.com/

CoCo JAPANプロジェクト:https://www.cocojapan.jp/


【参考】



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